物流の輸送機関

物流には4つの主要な輸送機関があります。自動車(トラック)を使う「トラック輸送」・鉄道(貨車)を使う「鉄道貨物輸送」・船舶(貨物船やフェリー)を使う「海上輸送」・航空機を使う「航空貨物輸送」の4つです。日本では、年間62億トンの荷物が輸送されています。それぞれの特徴を見てみましょう。

物流で現在、最も良く利用されている輸送機関は、「トラック輸送」です。トラック輸送は、通常、1台で15トン程度が最大です。比較的、少量のものを近距離に運ぶことに適しています。また、道路網が発達しているので、工場などの出荷元から輸送先まで積み替えなしで運べるという特徴もあります。平成16年度の貨物輸送量は、輸送トン数では50億76百万トン、輸送トンキロでは、3,276億32百万トンキロです。旅客輸送量は、輸送人員では、659億91百万人、輸送人キロでは、9,475億63百万人キロです。トンキロ・人キロは、重さ(人数)と距離を掛け算した輸送量の単位です。

物流の輸送機関の2番目は、「鉄道貨物輸送」です。日本の鉄道は時間に正確なため、鉄道貨物輸送は大量の貨物を正確な時間で運ぶことができます。貨物列車では130個の5トンコンテナを運ぶことができ、大型トラック50〜65台分にあたります。また、トラックに比べ、CO2(二酸化炭素)の排出量も少なく、環境に負担が少ない特徴を持っています。平成16年度の貨物輸送量は、輸送トン数では52.2百万トン、輸送トンキロでは、224億80百万トンキロです。旅客輸送量は、輸送人員では、216億90百万人、輸送人キロでは、3,851億60百万人キロです。

物流の輸送機関の3番目は、「航空貨物輸送」です。航空機を使うことで、国内のみならず、全世界に早く確実に運ぶことができます。緊急に運びたいものや鮮度を要求されるものなど、小型で高価なものを運ぶことに適しています。平成16年度の貨物輸送量は、国内線では88.5百万トン、国際線では、131.8百万トンです。旅客輸送量は、国内線では、9.4百万人、国際線では、1.7百万人です。

物流の輸送機関の4番目は、「海上輸送」です。一度に大量の荷物を遠くまで運べるという点が特徴になっています。少人数で輸送できるため、ひとりあたりの年間輸送量は一番大きいです。その特徴をいかし、国内の臨海工業地帯と消費地を結び、主に石油や化学、プラントなどの産業で使用されています。