物流を辞書で引くと、「物的流通」(Physical Distribution)の略と出てきます。物的流通と言う言葉が、何かというと、生産物の生産者から消費者までの移動あるいはその移動を行う輸送システムを指します。包装・輸送・配送・保管・荷役・情報管理・流通加工などの活動を包括しています。物流の一連の流れは以下の四つに分類されます。「調達物流」・「販売物流」・「消費者物流」・「静脈物流」
物流工程の「調達物流」は、生産者間の物的流通を表します。調達とは、金品を必要に応じて、整えることを言います。調達物流は、工場などの生産現場を中心とした見方をし、生産に必要な原材料や部品を、協力会社や問屋から効率的に運び込むための活動です。「販売物流」は、生産者・卸業者・小売業者から消費者間の物的流通を表します。生産した製品や販売する商品をいかに効率的に消費者に供給するかという活動で、これまで、企業体が最も力を入れてきたところです。「動脈物流」とも言います。
物流工程の「消費者物流」は、消費者間の物的流通を表します。これは、宅配便・引越し便・トランクルームのように一般消費者が利用するものです。"速く、安く、確実に配達する"をキャッチフレーズに登場した宅配便は、一般消費者に受け入れられ、急速に成長し続けています。
物流工程の「静脈物流」は、消費者から生産者間の物的流通を表します。最終的に消費者まで渡った製品・商品をリユース、リサイクルの目的で集荷し、再資源化拠点まで運搬することを言います。「回収物流」とも言います。環境問題の顕著化などにより、近年注目されつつあります。回収・廃棄からリサイクルまで一連の物流工程に組み込んだ一巻したシステムの構築が必要とされています。
物流は、「物資流動」(Freight Transport)の略で使われることもあります。物資流動という言葉は、単純にある場所からある場所への「物資」の移動のことを指します。交通分野などの物流は、こちらの意味で使われることがあります。対になる言葉として、人の動きを示すパーソン・トリップ(Person Trip)と言う用語があります。物資流動調査とパーソン・トリップ調査などと使われます。